LORO HPV GROUP トップページ > 10th anniversary LOROからのメッセージ Vol.3
10th anniversary LOROからのメッセージ
LOROは折畳自転車(小径・リカンベント含む)の専門店という業界においては異端な存在でありながらお蔭様で10年間も営業を続けることができました。

 LOROが何者で、何をしようとしているかも定かでないときから応援してくださる多くのお客様と根気強くご指導くださいました取引業者様に対し心から感謝申し上げます。
 ありがとうございます。

 10年経ちましたがLOROはまだまだ未熟です。専門店として解決すべき問題が山積しています。
 スタッフ共々精進を重ね、誰からも一番良い店だと言って頂ける様、努めて参ります。
 引き続き、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
私たち自身の「末永く大切に使っていただける自転車を販売したい」という想いにそぐわないようにLOROも未来永劫、専門店として存在し続ける覚悟です。

 今後ともご愛顧くださいますようよろしくお願い申し上げます。
LORO-HPV代表 大石 浩
 
   
私の一番古い記憶の中の一つに祖父が買ってくれた三輪車のイメージが残っています。
恐らく、私にとっては生涯で最初の一番大きなプレゼントだったと思います。

6人兄弟姉妹の5番目に生まれた私は自分の家庭が貧しいのだと言うのを知るのはこのプレゼントの随分後のことで当時三輪車は我が家には一台もありませんでした。
兄弟姉妹の誰も買ってもらえなかったのでしょう。

ある日、祖父とバスに乗って、三輪車を買いに行き、帰りのバスで祖父の力では車内に乗せることができなかったので車掌さんが手伝ってくれた記憶がかすかにあります。
私は幼稚園に入る前だったような気がしますが定かではなく、その後、あまり日を置かずに祖父は他界してしました。
最初で最後の私へのプレゼントだったのかもしれません。

その三輪車は、翌日、近所の中学生数人の目に留まり、裏の畑でダウンヒル遊びに使われたようで家に帰ってきたときには、フレームが折れて二つに別れた状態でした。
ブルーで艶々した新品の「ワタシの三輪車」は、針金とビニールテープで本来の原形に近い形に修理されていましたが、乗るコトも漕ぐコトもできず私は三輪車の楽しさやモノを手に入れた歓びも感じることがないままとなりました。

モノは使えなくなるとゴミだ・・・

私は幼児体験が影響しているかどうか自分ではわかりませんがモノに執着しない性格で、しかし、どんなモノでも大切にします。
私の愛車は、1999年製のBROMPTONで今も現役です。
当時販売用にアメリカから仕入れましたが一番廉価なタイプで泥除けもなく、シンプルすぎて売れ残ったので仕方なく自分が使い始めた自転車です。

消耗品のタイヤとチューブとブレーキシュー、それと折畳めなかったので最初から交換したべダル以外はノーマルのままです。
よく周りから、何故、部品を交換してカスタムかしないのか?と言われます。
専門店の店主の自転車がそれでいいの?と冷やかされます。

私はどんな部品でも、素材感が悪くても、性能が低くても、全てのモノが愛おしいと思ってしまうので交換して使わなくして「ゴミ」としたくないのです。

今やカスタム化はオーナ様の個性を発揮する楽しみの一つでこれを否定するものではありませんが、LOROでは基本的に「元に戻せない改造はしない」という暗黙の取り決めがあります。いつでも元の部品が使えるように留めておきたいのです。
この点に関して私のそんな想いが込められています。
できるだけゴミを出したくありません。

「私たちはゴミを売っている」という表現はスタッフへの戒めのための乱暴な言い回しですが使われなくなったらゴミになるのだから、丁寧に整備して可能な限り永く使い続けていただけるよう心を込めることを心がけています。

100年使い続けるのは難しいかもしれませんが扱い次第では可能かもしれません。

室町時代の太刀が新品の日本刀にも劣らない輝きを放っているのを見たとき500年近いの歳月を経ても朽ちることの無い「モノ」が実際に存在ことに私は色んな可能性を感じてしまいました。


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