10th anniversary LOROからのメッセージ　Vol.2

ＬＯＲＯは折畳自転車（小径・リカンベント含む）の専門店という業界においては異端な存在でありながらお蔭様で１０年間も営業を続けることができました。

　ＬＯＲＯが何者で、何をしようとしているかも定かでないときから応援してくださる多くのお客様と根気強くご指導くださいました取引業者様に対し心から感謝申し上げます。
　ありがとうございます。

　１０年経ちましたがＬＯＲＯはまだまだ未熟です。専門店として解決すべき問題が山積しています。
　スタッフ共々精進を重ね、誰からも一番良い店だと言って頂ける様、努めて参ります。
　引き続き、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

私たち自身の「末永く大切に使っていただける自転車を販売したい」という想いにそぐわないようにＬＯＲＯも未来永劫、専門店として存在し続ける覚悟です。

　今後ともご愛顧くださいますようよろしくお願い申し上げます。
ＬＯＲＯ-ＨＰＶ代表大石浩



		私の心の奥底にあって常に問い続けているテーマは　「豊かさとはなにか？どういう状態か？」ということです。自転車屋を生業にしようと考えていた私は、過去、現在、未来と思いをめぐらせて一つの結論を出しました。　『豊かさとは多様性だ』　物質的な豊かさが必ずしも私達を幸福にしてくれるわけではないことは多くの人が認めると思います。とは言え、規格が統一されたモノがあふれ、商売や企業などがどんどん一極に集中し始めるとどこに行っても同じ商品、同じサービスが手に入りだし普段の生活に多くの恩恵をもたらしたのも事実です。　しかし・・・「この状態は、豊かか？　楽しいか？　そんな社会に暮らしたいか？」当時はそんな疑問が頭の中を支配していました。　自分が年老いても豊かな気持ちで暮らせる街とは？？？社会構造とは？？？（私は自分中心だからいつでも20年後の自分だったらどう感じるか？と考える癖があります）　私の理想としたイメージは・・・　専門店が集っていてどの店も見るだけでも楽しい品揃えがされていて、会話に薀蓄があり、学びがある。そんな店の集合体で街が形成されている、そんな街で暮らしたい。そういう個性が強い店が認知されていて多様性が保たれているのが豊かな社会の状態ではないだろうか・・・　それから具体的に「その中の構成員として自転車屋を営もう。しかも、うんと個性的に」「みんなと自転車で暮らそう！、自転車で暮らすくらいの街が一番豊かなはずだ」という想いを抱きだしました。　自転車で移動できる距離に仕事場があり、生活に必要なモノが買い物でき、必要なサービスが受けることができる・・くらい、個々が小さく刻まれた社会。（時間を30～40年ほど遡ってイメージしていただければいいと思います）回顧主義ではなく、生き物である人間として心地よい街のあり方としてそれくらいの距離やスピードでよいのではないでしょうか。　今の社会・・・なにか落ち着かない、物凄いスピードだし、騒がしい・・・東京でも大阪でも同じお店ばかりで多様性が無い・・・そんな状態を創り出した一番の犯人探しを始めて答えはすぐに出ました。「クルマだ！（自動車）」　いつでもどこにでも快適に移動でき、大量の物資を簡単に運んでしまえる。会社は遠くにあっても通勤可能となり一所に集まることができるからどんどん巨大化する。日々の買い物は巨大化したショッピングモールにクルマで行けば必要なコトを全部済ませられる。便利！超便利！！クルマが軸になって形成された街。　でも、自分が年老いた時に・・・人の歩けないクルマが移動するための道路だらけの社会構造で自分がクルマを使えなくなった時にはどう生活すればいいのだろう・・・　「やっぱり、自分は自転車で暮らそう、少しでも多くの人が"自転車で暮らすくらいの世の中の仕組みで豊かな気持ちで人生を送れる"、そんな社会構造にしたい、そのためにも多くの人に自転車を使って欲しい」　当時イメージしていた「20年先の自分がそれで正しかったと思えるかどうか」は10年経った現在、「自転車で暮らすこと」は当時よりも随分と具体的に重要な意味を持ちだしていると思っています。　そして、今、私たち（ＬＯＲＯ）がしっかりした青写真として話し合っていること・・・・・　『100年先、私たちが販売した自転車は、現オーナー様の子孫が大切にお使い続けになり、私たちの後輩が運営するＬＯＲＯという専門店でメンテナンスされ続けている・・・』そんな想いを抱きながら「今」の仕事に取り組んでいます。　更に５００年先も人類は自転車を使って日々の暮らしをしている・・・としたら、間違いなく、そこには豊かさに満ち溢れた気持ちで人が暮らしているのではないだろうか・・・と。